[Book] 憑かれる男。
- 『星に憑かれた男』
- ウィリアム=エクチソ ン著/小林千枝子 訳
- 1996年 青山出版社
なにごとも「憑かれる」状態になると、よくないことが待っている。でも、自覚的にそうでもしなきゃ乗りこえられないこともあるのかもね。
その男の最期には覚えがある。数年前、フランスからのニュースが流れた。三ツ星レストランのシェフが自殺したらしいこと、ミシュランの改訂版の直前だったこと、そのシェフが三ツ星にこだわっていたこと。そのニュースで知ったのはこの程度。
「星こわい」
と思ったのだった。
『星に憑かれた男』は、その男・ベルナール=ロワゾーが三ツ星シェフとして成功するまでを綴ったノンフィクション。SFのとは違います。
「星こわい」と思ったニュースの主が、本に登場するベルナール自身だと知ったのは、読了後だった。ものを知らなくてすみません。
人格者の成功談とはかけ離れているけれど、ドラマティックな展開に心を奪われる。美食の表現は、思わずツバを飲み込むほど。翻訳者がいちばん心を砕いたのではなかろうか。
ちなみに、原題は”Burgundy Stars”。日本語の題名が、まさにハマりすぎている。その真相は分からないけど、その後の顛末を知ってから読むと、「なるほど」と思う節も。
ところで、この装丁の違いは何だろう。同じ事実が描いてあるとは思えないのですが…。



